消費税の仕組みとSAPの税コードについて

消費税とは

消費税自体は普通に生活していても関わるものなので、言葉として知らないという人はいないと思いますが、それがどのような仕組みで運用されているのかという話になると、あまり知らないという人がほとんどだと思います。

消費税というのは、言葉の通り『消費に課される税』のことで、物やサービスを売買した時に課される税金です。今は税率10%なので、100円の物を買うと10円の消費税が課され、合計した110円を購入者が支払うことになります。

販売側が受け取った消費税は、一旦預かっている形になり、後でそれを納める形になります。つまり、消費税というのは、負担する人(購入者)が直接納税するわけではなく、販売した側が預かって納める間接税と呼ばれる種類の税です。

そのため、一定期間に発生した消費税が関係する取引を記録しておくことが必要となります。

消費税の分類

消費税の話をする上で知っておきたい内容として『課税、非課税、免税、不課税』という分類があります。

SAP導入プロジェクトでは当たり前のように出てくる言葉ではありますが、意外と正しく区別出来ていないケースもあります。厳密に考えなくても良いケースもありますが、消費税の納付額を計算する上で厳密に分けて認識しておかないといけないケースもあるため、簡単に違いを説明しておきたいと思います。

まず課税・不課税というのが区分として大きく分かれるので、ここから整理していくと、消費税が課される取引を課税取引、課されない取引を不課税取引と言います。消費税というのは、消費税法という法律でどのような取引に対して課すものなのかが定義されていますが、そこに記載されている定義に当てはまらない取引を不課税取引と言います。つまり、消費税に関係ない取引を不課税取引といい、SAPでは一般的に税コードを設定せずに会計伝票を登録することが多いです。

次に非課税取引についてですが、言葉からも分かるように課税されない取引になります。つまり、税率は0%になるということです。

そこで疑問として挙がるのが、不課税取引と何が違うのか?ということだと思います。不課税取引というのは、先ほども書いた通り、そもそも消費税とは関係のない取引のことですが、非課税取引は消費税法で定められた課税の要件を満たしており、本来は課税対象となるものですが、社会政策的な観点や消費税の性格上の理由から課税しないと決められている取引が該当します。

例えば、小学校などで使う教科書は非課税取引となっていますが、普通の本を書店で購入すると消費税が掛かりますが、教科書には掛からないことになっています。こういう取引があらかじめ決められており、それに該当するものは非課税となります。具体的にどのようなものが非課税取引になるのかは国税庁のサイト等にも書かれているので、興味がある方は確認してみてください。

もう1つ税率0%のものとして、免税取引というのがあります。これは分かりやすくて、海外の企業に輸出した時が当てはまります。消費税というのは、基本的には国内の消費に対して課す税なので、輸出の場合には消費が海外になる事もあり、免税という扱いになります。

最初に、課税と不課税とで分けましたが、非課税と免税はどちらに属するかというと、課税取引になります。というのも、消費税の納付額を計算するにあたり、課税売上割合というものを計算しないといけないケースがあり、その計算のために課税売上、非課税売上、免税売上を集計する必要があり、そのためには各取引がどれに該当するのかを識別出来るようにしておく必要があります。

ですので、同じ税率0%であっても不課税取引と非課税・免税取引は区別出来るように、非課税・免税の税コードを用意して使ったりするというわけです。

SAPでは税コードで識別する

SAPの会計モジュール(FI)には消費税レポートという消費税の申告に使うための標準レポートが用意されています。

日々の各取引が消費税に関する取引なのかを識別して仕訳登録し、申告時期になったら消費税レポートを使って納税額を確認し(実際にはそのレポートの情報から経理担当の方が調整をして)、申告書を作成します。

その日々の各取引にその取引が消費税課税対象の取引なのか、非課税、免税なのかを表す税コードというものを設定することで、後で集計できるような仕組みになっています。そのため、SAPの会計モジュールを使う場合は、基本的には必ず税コードをカスタマイズにて用意して、会計伝票にセットするようにします。

モジュールでいうと、会計伝票を直接入力するFI、仕入先(サプライヤー)から原材料や部品の購入するMM、得意先に商品・製品を販売するSDが消費税に関係してきます。FIに関しては、適切な税コードを直接設定するだけなので割愛しますが、MMと SDについて少し補足しておきたいと思います。

MMでの税コード入力

MMの流れを簡単に説明しておくと、仕入先への注文をする購買伝票を登録し、注文した品が届いたら入庫伝票、請求書が届いたら請求書照合を行います。

最終的に消費税に関する会計伝票につながるのは請求書照合で、請求書照合の時にその取引が課税取引なのか、非課税や免税取引なのかを見極めて税コードを設定する形になります。後で SDの説明をしますが、SDと異なりMMでは税コードを直接指定する形になるため、その点では分かりやすいと思います。

MMから登録する取引で消費税に関して1つ注意が必要なのは、ERSを使う場合は請求書照合が自動で行われ、税コードを直接設定出来ないため、その場合は購買伝票で税コードを指定しておく必要があるということです。その点以外は特に取り立てて説明する部分もなく、取引の内容に合わせて税コードを指定しておけばOKです。

SDでの税コード入力

SDの場合はMMと異なり税コードを直接入力するのではなく、品目税分類と得意先税分類によって税コードが決まる形になります。

どの得意先に販売するのかを得意先マスタに指定することになりますが、得意先マスタに税分類という項目があり、そこに分類を入れる形になります。そして、そのコードが受注伝票ヘッダに誘導されてきます。

加えて、品目マスタにも税分類の項目があり、同じくその項目に設定した値が受注明細の税分類に誘導されてきます。

この2つの組み合わせに対して条件マスタに税コードを割り当てておくと、請求の時にそれを参照して税コードを決めるという仕組みになっています。

輸出のケースの考え方

消費税が課税される要件の1つに国内で消費される取引だというのがあり、基本的にはそれに則って会計処理をすることになります。

『国内』という要件で考えた時に、輸出と輸入のケースがどうなるのかについてSAPコンサルとしては知っておく必要があります。

まず輸出のケースですが、輸出というのは海外の企業に対して物を販売することになります。その場合、消費されるのが『国外』になるため、免税となり消費税は発生しないことになります。海外旅行に行った時に、空港等の免税店でお土産を購入すると消費税が掛からないと思いますが、それをイメージしてもらうと分かりやすいかなと思います。

ただし、取り扱いとしては、消費税を課すことを免除するというものになり、課税取引だけれども税率は0%になるというものです。なぜ、こんなに回りくどい説明をしたのかというと、消費税が関係ない取引(不課税取引と呼んだりします)と免税取引は区別しておかないといけないケースがあるからです。

詳細な説明はここでは省きますが、消費税の納税額を計算するステップにおいて、売上に掛かる消費税については、通常の課税売上に非課税売上、免税売上も含めた売上高を使うケースがあります。そのため、SAPの税コードとしても、10%の課税用だけではなく、非課税、免税の税コードも用意しておかないといけないかもしれないということを知っておいてください。

輸入のケースの考え方

一方、輸入のケースについては消費するのが国内になるため、基本的には消費税の課税対象となります。ただ、国内での取引と輸入の場合とでは、消費税の納め方が異なるため、SAPの税コードの検討においても異なる観点での考慮が必要になります。

何が違うのかと言うと、納税者とタイミングが異なります。

国内取引の場合は購入する物の代価に消費税を加算した金額を仕入先に支払い、仕入先が納税する形になります。つまり、買掛金には仮払消費税も含めた金額で計上することになります。

それに対して輸入取引の場合は、輸入品を引き取る前に税関で手続きが必要となり、その際に消費税を納める形になります。そのため、仕入先側に消費税額を含めて支払をすることはありませんし、買掛金にも消費税額は含めません。

つまり、輸入用の税コードは国内取引用の税コードと別で用意すべきだということです。

ちなみに、税関での手続き等を通関業者にやってもらう場合は、通関業者が消費税を立て替えて支払ってくれるため、後でその分を通関業者に支払うことになります。

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