SDプロセスフロー:物販とサービス販売

SAP ERP(ECC、S/4HANA)の販売管理(SD)のプロセスとしては『受注→出荷→請求』が基本となります。

受注生産なのか、見込生産なのかなど、ビジネスモデルによって他モジュールのプロセスが入ってくるので、上記プロセスで完結するわけではないですが、販売管理としてのメインプロセスと言えばこの流れになります。この『受注→出荷→請求』の流れに関しても、物販(形があるモノを販売するケース)とサービスを販売する場合で少し違ってくるため、今回はその部分について解説したいと思います。

物販の場合は受注・出荷・請求の3プロセス

SDの場合、注文を受けてから請求するまでをターゲットとしたモジュールになっていますが、このスタートとゴールはSDを使う以上は共通しています。

その上で、まずは物販のケースから説明していきたいと思いますが、受注生産の場合も見込生産の場合も、物理的なモノを販売する場合、得意先(商品・製品を購入してくれた企業)に、そのモノを届ける必要がありますね。そのため、受注した後に商品・製品を提供出来る状態になったら、得意先に対して出荷をすることになります。自社のトラック等で輸送する場合もあれば、他社の輸送サービスを利用する場合もありますが、何かしらの手段で商品・製品を送り届けます。

この商品・製品をトラック等に乗せて輸送する部分を管理するためにSAP ERPでは出荷伝票という伝票を使います。注文を受けたモノを得意先に輸送できる状況になったら出荷伝票を登録し、実際に得意先に向けて出発したら出庫確認というオペレーションを出荷伝票上で行います。

その後、得意先側で注文品を受け取り、検収をしたら、取引が履行されたことになるため、SAP上で請求処理を行い売上を計上するという流れになります。これがシンプルに考えた場合のSDのプロセスとなっているので、まずはこの基本プロセスを理解しておくことが大切です。

サービスの場合は受注・請求の2プロセス

先ほどは物販のケースを説明しましたが、物理的なモノの無いサービスを販売しているケースもあります。

例えば、販売した製品の保守サービスであったり、コンサルティングサービスなどが売り物の場合は、モノとして提供するものがありませんよね。そのような場合、当然、得意先に対して何かを送り届けるという必要がありませんので、出荷のプロセスがなく、受注の後に請求をすることになります。

※サービス販売の場合も、SAP上のオペレーションとして出荷を行うことは可能ですので、そこはお客様の業務に合わせて設計する形になります。

ですので、その場合は受注伝票と請求伝票のみが登録されることになり、出荷伝票は登録しません。言い換えると、出荷伝票を参照して請求伝票を登録するのではなく、受注伝票を参照して請求伝票を登録する形になるということです。

関連のトランザクションコード

今回の記事に関連するトランザクションコードを以下に記載しておきます。

  • 受注伝票登録:VA01
  • 出荷伝票登録:VL01N
  • 出荷伝票変更(出庫確認):VL02N
  • 請求伝票登録:VF01

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