チェック・代入について解説

主に会計系モジュール(FI・CO・PS)には、『チェック』、『代入』というカスタマイズがあります。

その名の通り、あるオブジェクトの項目に対して値のチェックや、値の代入をするためのカスタマイズで、多くのプロジェクトで使用されています。私自身も今まで導入・保守含め15社以上の企業のSAPのERPシステムに携わってきましたが、使っていない企業は無かったというぐらい、一般的に使用されている機能だと言えます。

今回は、このチェック・代入の機能について解説したいと思います。ちなみに、『チェック・代入』と一括りにして扱われることもありますが、別々のカスタマイズになりますので、別ものだと考えて頂けたらと思います。

ノーコーディングで値のチェックや代入ができる

冒頭でも書きましたが、チェック・代入はカスタマイズの扱いになります。

ですので、ABAPのコードを書かずして、値のチェックや代入ができるというものです。主なオブジェクトとしては会計伝票のヘッダ・明細データ、COのコーディングブロックの項目、固定資産マスタ、WBSマスタなどです。他にもいくつかありますが、主に会計系のオブジェクトに対してチェックや代入を行うことができます。少し変わり種としては、受注明細に対して利益センタを代入するというものがありますが、これも利益センタ会計のために提供されている機能になるので、会計系モジュールのために用意された代入だと言えます。

対象についてはカスタマイズのIMGメニューを見てもらいたいのですが、コーディングなしで標準のオブジェクトに対して値のチェックや値の設定ができる機能があるということを、まずはお伝えしたいと思います。

EXITを定義することで追加ロジックを書くことも可能

コーディングなしでチェック・代入ができるということを書きましたが、EXITを使うことでABAPを書くことも可能です。

カスタマイズの範囲で出来るなら、それに越したことは無いのですが、要件的にそれでは実現が難しいという場合には、直接ABAPでチェックや代入を行うためのロジックを書ける仕組みになっています。SAPでは標準のプログラムに対して追加ロジックが書ける領域をいくつか用意しており、それを『拡張』と呼んだりしますが、そのうちの1つが『EXIT』で、チェック・代入にもEXITが用意されています。

ですので、ABAPさえ書ければある程度の柔軟性を持ってチェック・代入の実装ができるようにはなっているということです。

前提条件を定義して処理対象を決める

チェック・代入に共通して定義するものとして『前提条件』があります。

会社コードが〇〇の場合や、勘定コードが△△の場合など、そのチェックや代入を行う条件を指定することができます。チェックや代入の内容によりますが、多くのケースで無条件に実施するというより、ある条件の場合に実施するという要件がありますので、それを前提条件として定義することができるようになっています。

複雑な前提条件がある場合は、上記のEXITを使うことになるのですが、シンプルなものであれば『前提条件』の設定で事足りるので、カスタマイズの範囲で実装が可能になります。また、勘定コードなど複数のものが条件の対象になる場合には、勘定グループなどのセットを定義して、それを条件に使うということも可能です。

『〇〇グループ』という名称のついているものは基本的に使用できると思いますので、多数のコードを前提条件として指定する必要がある場合は、セットでの指定も検討してみてください。(Tr-cd:GS03 で見れるものは基本的には使えると思います)

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