一般的なランドスケープとクライアント設計

システム開発において実行環境が実際に運用に使われている本番環境だけということはあまりなく、開発環境やテスト環境というのを作成して用途ごとに利用するという形になります。

SAPのERPシステムにおいても同様で、SAP環境の構成としては以下のような形が多いんじゃないかと思います。

 

  • 開発環境
  • テスト環境
  • 本番環境

 

ユーザー企業に合わせたカスタマイズ設定や追加開発(アドオン開発)をするための開発環境が用意されます。

さらにクライアントという概念があり、開発機の中にも複数の環境が用意されることになります。クライアント構成についてはユーザー企業によって全然違っていたりするのですが、よくあるクライアント構成としては、開発用クライアント(アドオン開発、カスタマイズ等を実施)、テスト用クライアント(単体テストを実施)、サンドボックスクライアント(カスタマイズ設定の確認を実施)ような感じです。

 

テスト環境についても、結合テストやインターフェーステスト、統合テストなどテストの種類ごとにクライアントを分けて用意されることが一般的です。

少しだけ補足しておくと、SAPのシステム内で発生するデータにはクライアント依存データと非依存データという2種類の切り分けがあり、伝票データやマスタデータなどクライアントごとに登録されるデータと、ソースコードなどクライアント間にまたがって共有されるデータとがあります。

それを考慮しながらどのクライアントで何かをするのかを検討していく形になります。

 

本番環境は特に説明は不要だと思いますが、実際に業務を実施するための環境です。

 

開発環境、テスト環境、本番環境は一般的には別々のサーバー(別々のIPアドレス)に構築されるため、カスタマイズ設定や開発したアドオンプログラムなどの情報を転送してあげる必要があります。

開発環境で移送依頼番号というコードを発行して、それに紐付く形で変更ファイルが作られ、移送の情報をテスト環境や本番環境に取り込むことでデプロイするという仕組みになっています。

 

そんな形でランドスケープとクライアントを用意してシステム開発、テストを実施するという形です。

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