SAPの在庫・購買管理(MM)の基本プロセス

製造業であっても、小売や卸売業であっても事業活動の起点となるのがMMになります。

製造業であれば原材料を購入して、それを使って製品を生産することからビジネスが繋がっていきますし、仕入れた商品を販売するという事業をしている場合もスタートは商品となるものを購入することから始まります。

SAPのERPの場合は、この部分は在庫購買管理(MM)モジュールが担う形になります。業種や企業によって細かい部分は異なるのですが、大きな流れとしては以下の4ステップがSAPの在庫購買管理の業務プロセスです。

  1. 購買依頼:ME51N
  2. 購買発注:ME21N
  3. 入庫:MIGO
  4. 請求書照合:MIRO

各プロセスの詳細は別記事で扱いたいと思いますので、今回はこれらが何なのかを簡単に説明したいと思います。

調達部門に購入を依頼する『購買依頼』

大企業の場合、調達・購買を専門にしている部署があることが多いです。

何かを購入するというときに、品質やアフターサービスレベルが同じなら安い方が良いですし、いつも購入しているサプライヤーから購入すると優遇してくれたりと、調達するにも戦略的な視点が必要だったりするわけです。

ですので、例えば、製造部門が製品を生産するために原材料を調達したいときに、専門の部門に依頼をして購入してもらうということをします。

その業務をSAPで実施する場合に使われるのが購買依頼伝票で、つまり企業内の別部門に調達の依頼をするためのプロセスが購買依頼ということです。

仕入先に購入品を注文する『購買発注』

購買依頼を受けて、どの企業から購入するのかを調整して注文を行うというのが購買発注のプロセスです。

購買依頼伝票を引き継ぐ形で購買発注伝票を登録することも可能ですし、購買依頼を省略して購買発注伝票を直接登録することも可能です。

購買発注伝票を登録して、そのデータをEDIでサプライヤーに連携することもありますし、注文書を作成してメール等で送ることもあります。また、アナログな形で電話やFAXなどを使って注文することも実務上はあります。

いずれにしても、どの品目を、いくつ、どの企業から購入するのかを確定して、購買発注を行うという形です。

仕入先から届いた商品や材料を倉庫に納める『入庫』

購買発注のプロセスで仕入先に注文をすると、後日指定した場所に注文していた品物が届きます。

そうすると、注文したものが注文した数届いているのかを確認して、倉庫に入れるわけですね。その倉庫に入れることを入庫と呼びます。

SAPのERPでは、このタイミングで会計伝票が自動で登録され、在庫が計上されることになります。例えば、原材料を入庫した場合は『原材料 / 入庫請求仮勘定』という仕訳が登録されます。

仕入先からの請求書の内容を確認して債務計上する『請求書照合』

購入していた商品を受け取ったら、次はサプライヤーから請求書が送られてきて受け取るというステップになります。

請求書の内容が、注文して届いたものと相違ないことを確認して、問題がなければ債務を計上します。

入庫と同様に、請求書照合の処理を行うと会計伝票が自動登録され、『入庫請求仮勘定 / 買掛金』という仕訳が登録されます。

入庫のときに計上されていた入庫請求仮勘定という経過勘定が、請求書照合でゼロバランスになって、買掛金が残って支払いに繋がっていくという形です。

各業務プロセスの詳細は別記事で書きたいと思いますが、今回は購買依頼から請求書照合までのMMの基本プロセスについて理解してもらえたらと思います。

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