入金や支払いをマニュアル処理する場合に、債権・債務の金額とピッタリ一致する場合は良いのですが、差額が生じる時があります。
例えば、100万円の債権に対して得意先が何らかの理由によって101万円支払いをしてきた場合や、半額の50万円だけ支払いしてきた場合などです。
実際の業務においては、割とこういうケースは発生するため、業務として想定しておく必要があります。
で、このような場合に差額の処理をする必要があるのですが、方法としてはいくつかパターンが考えられます。
消し込みせずに両建てで債権・債務を残しておく
1つは、入金・支払いの仕訳は行うのですが、金額が一致するまでは未消込の状態で残しておくという方法です。
定常的に取引があって、毎月のように入金・支払いが発生する場合は、仕訳だけ起こしておいて、消し込みはせず置いておく事があります。
前提として、近いうちに入金・支払いが発生して、消し込める見込みがある場合は、この方法を取る事ができます。
残余明細を使って消し込み後に差額を再度計上する
もう1つの方法としては、一旦入金・支払いがあったタイミングで、その分だけ消し込みをして、残額に関しては再度計上するという方法です。
この方法を取ると、いくら残高として残っているのかを把握しやすいというメリットがあるのですが、複数回に渡って入金・支払いがあると、元の伝票に遡りにくくなるというデメリットもあります。
雑損・雑益で処理する
差額の金額が僅少な場合は、雑損や雑益で処理してしまうというケースもあります。
企業会計というのは、正確に会計処理を行う事が前提ではあるのですが、ステークホルダーの意思決定に影響を与えないぐらいに金額が小さかったりする場合は、重要性の原則という取り決めがあって、簡易的に処理する事も認められています。
例えば、売上が1000億円規模の会社が、5円、10円の差額を正確に理由を捉えて処理しても、それほど影響がないですよね。
そういう場合は、簡易的に処理しても良いことになっているので、そういう扱いをする事もよくあります。
実際の業務においては、教科書のようにキレイなケースだけではなく、例外的な事が頻繁に起こるので、そういう場合に取り得る手段として今回の方法も知っておいてください。
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