会計伝票明細への利益センタの誘導方法と初期値設定のカスタマイズ

SAPを導入する企業のほとんど全てで利益センタを使っていますが、どのように利益センタを設定するのかは、各企業の要件に応じて設計することになります。

利益センタは会計伝票や管理会計伝票の明細に対して割り当てることになるのですが、今回はどのような形で利益センタが明細に割り当てられるのかと、勘定コードに対して個別の利益センタを初期値として割り当てておくことも可能となっているため、その辺りを解説したいと思います。

そもそも利益センタって何?という方は先にこの記事を読んでみてください。

管理会計の主要マスタ利益センタとは?

費用は原価管理のオブジェクトから誘導

利益センタを設定する主要な目的として、事業別のB/S、P/Lを見れるようにしたいというのがあります。

そのためには、様々な取引から発生する会計仕訳の各明細に適切な利益センタを設定する必要があるわけですが、その設定方法は様々です。

まず分かりやすいものから説明すると、費用科目については、原価センタから誘導される形で利益センタが会計伝票明細に設定されます。

原価センタマスタの画面を見てもらうと分かりやすいのですが、各原価センタには紐付く利益センタを割り当てるようになっています。

原価センタとは?

一次原価要素として登録した勘定コードを使う場合、その明細にはCOオブジェクトを割り当てないと登録出来ないようになっているため、その明細には原価センタ等を割り当てることになります。

原価管理に必須のマスタ「原価要素」について解説

原価センタを割り当てると、原価センタマスタに設定されている利益センタも連動して会計伝票明細に誘導されるという仕組みです。

発生する費用をWBSで管理する場合や、内部指図で管理する等の場合は、それらのマスタにも利益センタを割り当てることができ、会計伝票明細にWBSや内部指図を入力することで、利益センタが設定される仕組みであるのは、原価センタと同じです。

収益は品目マスタから誘導

次に売上などの収益勘定の場合についてです。

売上は基本的にはSDモジュールで請求処理をしたタイミングで計上されることになります。

SD(販売管理)の基本の流れ(受注・出荷・請求)について説明

上記の記事でも書いていますが、SDでは受注伝票を起点に出荷・請求処理が行われ、そこからFIに会計伝票という形でデータが連携されます。請求処理は出荷伝票または受注伝票を参照する形で行われてますが、売上の明細の利益センタは受注明細の品目マスタに設定されている利益センタから誘導されてくることになります。

プロジェクト型の受注生産で、収益管理もWBSで行っているような場合は、受注明細に設定したWBSの利益センタだったりもするのですが、基本を押さえるという意味では、売上は品目から誘導されるというのを、まずは知っておいてもらったら良いと思います。

SDモジュールを使わずに、販売管理は別システムを使っており、売上の情報をSAPに連携するようなケースもよくありますが、このような場合は、直接会計伝票を登録する形になるため、売上明細に利益センタを直接入力することになります。

債権債務等へは伝票分割で設定

P/Lの観点では、費用と収益を部課や事業セグメントなどの単位で把握できれば良いのですが、IFRSへのコンバージェンスの流れで、事業セグメント毎のB/Sも開示が求められるようになったため、多くの企業ではB/Sにも利益センタを設定することが求められます。

SAP標準としても、その要件を満たせるような仕組みになっており、多くの場合、伝票分割(オンラインスプリットとも呼ばれます)のカスタマイズを行うことで、実現出来ます。

平たく言うと、『売掛金 / 売上』のような仕訳が起きた時に、売上に設定されている利益センタの値を売掛金にも反映させるという仕組みです。

買掛金などの債務についても同じ考え方で、費用明細の利益センタを買掛金等の明細に反映することになります。

個別の利益センタを割り当てる場合は初期値設定のカスタマイズ

最後に知っておきたい機能として、勘定コードに対して初期値となる利益センタをあらかじめ割り当てておくカスタマイズがあります。

トランザクション『S_AC0_52000645』で設定ができるのですが、特定の利益センタでしか使わない勘定であったり、各部課での管理はせず本社機能として管理するような勘定の場合に、それらの利益センタを割り当てておくと、それらの勘定コードで仕訳を登録すると、その利益センタが設定されるというものです。

それなりによく使う機能なので、覚えておくと便利だと思います。

利益センタ関連のもう少し知りたい方はこちらもどうぞ!

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