企業間の取引の場合、コンビニやスーパーで買い物をする時とは違って、掛け取引(後日支払いをする取引)が一般的になります。相手企業との取り決めによって、いつ支払いをするのかは異なりますが、支払予定の日付をシステム上計算する必要があります。
この支払予定の日付はSAPでは支払基準日という項目で管理されますが、支払基準日を計算するために利用するカスタマイズが『支払条件』です。(ちなみに債権側の入金予定日についても支払基準日の項目で管理します)
トランザクションコードは『OBB8』で支払条件の設定画面を起動できますが、その画面で
- 何日を締め日として計算するのか?
- そこから何ヶ月後の何日を支払い予定日として算出するのか?
などをカスタマイズ設定することになります。
支払条件のカスタマイズを登録するときのポイントとしては、締め日(SAP上では『期限』)が末日ではないケースに2レコード登録しないといけないというのがあります。
例えば、20日締めの支払条件の場合、期限が20のデータと31のデータの2つを登録する必要があります。20日までの取引の場合に算出するためのものと、21日から末日までの取引のもの設定するということです。21日以降というのは、締め日の後なので支払い予定日の計算上翌月分に含まれる形になるからですね。
支払を複数に分ける場合は分割支払方法を使用
取引によっては複数回に分けて支払いをするというケースや、半分は振込で支払って残り半分は電子記録債務など他の手段で支払うというようなケースもあります。
例えば、100万円のうち30万円は翌月、30万円は翌々月、40万円は3ヶ月後に支払うというようなケースの場合、『分割支払条件』という別カスタマイズが用意されているので、それを利用する形になります。
分割支払条件に関してはとてもシンプルなカスタマイズで、分割する対象の支払条件と分割の割合を指定するだけです。
例えば、翌月払いの支払条件がA001、翌々月払いの支払条件がA002、3ヶ月後払いの支払条件がA003だとした場合、
- A001:30%
- A002:30%
- A003:40%
というような感じで設定します。
上記の分割支払条件がB001だとしたら、債権もしくは債務の明細を登録する際に支払条件欄にB001と入力すると(SD、MMから自動連携される場合jも同様)、伝票が保存されるタイミングでA001とA002とA003の3明細に自動的に分割して会計伝票を登録してくれます。
BPマスタに設定して使用
取引毎にどのような支払条件にするのかを決めるケースもありますが、定常的に取引がある場合は同じ支払条件で毎回取引を行うことが多いです。
ですので、取引先ごとに支払条件を設定できるようにSAPの場合はBPマスタに支払条件を設定する項目が用意されています。ここに設定をしておくと、その取引先と取引をしたときに初期値として設定している支払条件を提案してくれる形になります。
ただ、BPマスタの中に複数支払条件を設定する箇所があるため、その点だけ補足しておきたいと思います。
具体的には、得意先の会社コードビュー、販売エリアビューにそれぞれあるのと、仕入先の会社コードビュー、購買管理ビューに支払条件を設定する項目があります。まず、会社コードビューに設定した支払条件については、会計伝票を直接登録したときに使用される項目になります。
次に販売エリアビューについては受注伝票を入力したときに使用され、購買管理ビューについては購買発注伝票を入力したときに使用される形になります。
まとめ
支払条件については基本的にどのような業種のユーザーであっても使用することが多いオブジェクトになります。ですので、あまりなじみのなかった方はぜひこの機会に覚えてもらえたら良いと思います。
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