SAPの財務会計モジュール(FI)の取引データは全て会計伝票を通して記録されます。ざっくりと乱暴に言うと、仕訳データの登録がFIへのデータのインプットになります。
SAPに限らず会計システムと呼ばれるものは、基本的に仕訳データを中心としてシステムが動いていく事になるので、FIがというよりも会計システムのメインデータは仕訳です。
財務会計の目的が財務諸表の作成・公開で、その財務諸表を作成するには簿記を通して仕訳帳への記帳が必要不可欠だから当然といえば当然ですが。
その仕訳データを記録する会計伝票をSAPに登録する機能にはいくつかあるのですが、大きく分けると2種類になります。
Enjoy版の会計伝票入力画面
なぜこんな名前なのかは知りませんが、いわゆるエンジョイ画面と呼ばれている伝票入力画面があります。
トランザクションコードで言うと、『FB50』(一般取引入力用)、『FB60』(債務取引入力用)、『FB70』(債権取引入力用)などが該当します。派生の画面も多数あるのですが、1画面で仕訳の貸借を入力する事が出来る比較的ユーザーフレンドリーな画面です。
エンドユーザー向けには、これらの画面を提供した方が分かりやすいので、多くのケースでお客さん向けにはこれらを案内している事が多いと思います。
ENJOYじゃない会計伝票入力画面
エンジョイ画面に対して何と呼ぶのか分からないので、じゃない方と呼びますが、もう1種類会計伝票入力画面が用意されています。トランザクションコードで言うと、『FB01』等が該当します。
導入コンサルとしてSAPに携わっている場合は、こちらを先に知る事も多いかと思います。仕訳の勘定科目1つ1つに対して1画面ずつ切り替えながら入力していくような画面になっていて、初めて見る人には非常に使いにくい画面になっています。
ですが、プログラムから会計伝票を登録する場合に、バッチインプットという技術を使うのですが、システム的に扱う時には扱いやすいものになっています。(会計伝票登録用のBAPIもあるので、それで事足りる場合はBAPIを使うべきだとは思います)
なので、開発シーンではよく使う機能になっているので、システム導入側の担当者として関わる場合は知っておく必要があります。
今後はフィオリというWebベースの画面に変わっていくのですが、少なくとも今SAPを使っている企業の多くは上記2種類の画面から会計伝票を登録しているので、覚えておきましょう。
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