販売管理(SD)で使う取引先機能

SDモジュールの基本プロセスとして『受注→出荷→請求』となりますが、そのプロセスを流すためにはBPマスタ(得意先)が必要となります。

基本的には商品・製品やサービスを売るのがSDの領域となるため、どこに売るのかというのが管理出来ないといけませんが、取引している企業が大企業である場合、この『売る』という行為の中に複数の企業が登場するケースがあります。

そんな時に使うのが取引先機能になります。

取引先機能とは?

SDの基本プロセスに戻ると『受注→出荷→請求』というのが主な流れになりますが、それぞれのステップで相手が変わることがあるということです。

例えば、商品を買いたいと注文をしてきてくれた会社がA株式会社の東京本社だとします。しかし、実際にその商品を使用するのは大阪支店で、経理機能は名古屋支店にあり請求書を送るのは名古屋支店だとすると、それぞれの拠点が異なることになります。

今の例では1つの会社の複数支店が相手になりますが、それらがグループ企業の各会社になることもあります。通常、そのような場合には、それぞれに対してBPマスタを登録することになり、取引先機能を活用することになります。

そもそも取引先機能というのは何かというと、1つの取引の中で発生する各取引の相手先がどこになるのかを管理するための機能です。

先ほどの例で言うと、受注したのは東京支店、商品を出荷する先は大阪支店、請求書を送るのは名古屋支店というように、一連の流れで登場する相手先を指定することになります。

受注伝票に設定

具体的にどのように設定するかというと、受注伝票に設定箇所があります。

ヘッダと明細にそれぞれ同じ構成で設定箇所があり、SAP標準では『受注先、出荷先、請求先、支払人』という形で設定出来るようになっています。その他にも管理したい取引先機能が必要な場合は、カスタマイズで変更・追加が可能となっているため、要件に合わせて設計すると良いでしょう。

後続処理に繋がっていくのは明細データになるので、優先されるのは明細の設定ですが、各明細に同じ値を入れていくのは手間になるため、ヘッダの取引先機能に値を入れておくと明細に展開してくれる仕組みになっています。

ちなみに、先ほど挙げた取引先機能として支払人というのがありますが、これは債権の計上先になります。つまり、請求処理をした時に自動で登録される会計伝票の売掛金などの統制勘定の得意先として計上されるものが、支払人となります。

初期値提案する時はBPマスタに設定

取引先機能は受注伝票を登録する度に入力しても良いのですが、同じ受注先からの受注の場合、出荷先や請求先なども基本的に毎回同じ、というような場合にはBPマスタに設定しておくことで自動で受注伝票に初期値としてセットさせることができます。

関連テーブル

KNVP:得意先(取引先機能)

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