MMの基本ステップの最後のステップ:請求書照合

在庫購買管理(MM)の基本プロセスの最終ステップとして請求書照合があります。

原材料などのモノの調達の場合を例にすると、『①購買発注→②入庫→③請求書照合』というステップがあり、③の部分が今回の話になります。平たく言うと、債務を計上するステップとも言えます。

請求書照合とは

仕入先から発注していた商品が届いて、請求書が送付されてきたら、それが正しいかどうかを確認して債務を計上します。

その部分をSAPでは請求書照合と呼び、『T-CO:MIRO』で実施します。

自動処理で請求書照合する場合はERSを使用

請求書照合を個別に実行するのではなく、一括で自動処理することも可能です。その場合、ERSという機能を使用しますが、ERSは『T-CD:MRRL』で実行します。

ERSを使用する場合には、仕入先マスタの購買組織ビューで以下2つのフラグを設定しておく必要があります。

  • 入庫基準請求書照合
  • 入庫/請求自動決済

ERSの対象となるのが、入庫が済んでいる明細となるので『入庫基準請求書照合』フラグを設定し、それと合わせて『入庫/請求自動決済』フラグを設定しておく必要があります。

また、購買発注伝票明細にもERSで処理する旨の設定があるので、そちらも合わせて設定しておくとERSで処理できるようになります。

注意点としては、実行条件の入力画面で転記日付を指定することができず、実行日が転記日付として転記されるという仕様になっています。ですので、ジョブで自動起動することも可能ですが、タイミングには気をつける必要があります。

請求書照合の照会

請求書照合伝票を照会する場合は、『T-CO:MIR4』です。

伝票番号を指定して照会すると、登録した請求書照合伝票の内容を確認することができます。

請求書照合の取消し

請求書照合した内容が誤っている場合には『T-CD:MR8M』を使用して、取り消しすることができます。

請求書照合の未転記登録

請求書照合伝票の登録をいきなり転記せずに、未転記(未承認)で登録して、登録したものに対して転記(承認)するという2段階で登録することも可能です。

イメージとしては購買部門が原材料等を発注して、入庫検収をし、請求書照合伝票登録(未転記)を行った後に、経理部門が内容を確認して転記するというような承認ステップを入れたい場合に使用します。

登録は『T-CD:MIR7』で未転記登録し、MIR4もしくはMIROで登録した伝票を変更モードで開き、転記ボタンをクリックすることで転記する形になります。

請求書照合関連のトランザクションコードまとめ

トランザクションコード内容
MIRO請求書照合(MM請求書伝票登録)
MRRL自動請求書照合
MIR4MM請求書伝票照会
MR8MMM請求書伝票の取消
MIR7請求書照合(未転記登録)

関連テーブル

テーブルID内容
RBKPMM請求書伝票ヘッダデータ
RSEGMM請求書伝票明細データ

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