受注トリガーのロジ系業務プロセス『個別購買発注』

SDやMMを中心としたロジ系の対応をしている時に『個別購買発注』と呼ばれる業務プロセスを耳にすることがあります。今回はこの個別購買発注について解説したいと思います。

受注した商品を仕入先から仕入れて販売するプロセス

ビジネスの形として見込生産しておいた製品を顧客に販売したり、受注したものを自社で生産して顧客に販売する等、様々なケースがありますが、個別購買発注というのは、顧客(得意先)から受注した商品をサプライヤー(仕入先)から調達して、それを顧客に販売するというプロセスになります。

ですので、形態としては仕入販売という形になりますが、ポイントとしては予め見込で仕入れておいたものを在庫として保持しておいて販売するという形ではなく、顧客から注文を受け、それをトリガーとしてサプライヤーに発注をかけて仕入・販売するということです。

SAPのシステムで表現した時の流れとしては以下の通りとなります。

  1. 受注
  2. 購買依頼・購買発注
  3. 入庫・請求書照合
  4. 出荷・出庫
  5. 請求

受注伝票明細の明細カテゴリ『TAB』にすると自動で購買依頼が生成される

個別購買発注のプロセスでは、スタートが受注伝票の登録になります。

受注明細を入力するときに明細カテゴリを『TAB』にすることで個別購買発注としてシステムで認識され、受注伝票を保存したタイミングで、自動的に購買依頼が生成されることになります。このケースの場合、受注伝票を参照した形で購買依頼が登録される形になるので、受注している数量や納入日付は購買依頼側では変更できません。

あくまでも受注をトリガーとして調達しようとしているので、受注側で入力した内容が有効になるということですね。

ちなみに、品目マスタの明細カテゴリグループを『BANC』にしておくと、受注明細にその品目を入力すると自動で明細カテゴリに『TAB』が設定されるようになります。ですので、その品目は自社では製造せず必ず個別購買発注のプロセスになるという場合には、品目マスタの明細カテゴリグループを設定しておくと良いでしょう。

そうではなく、都度個別購買発注にするかどうかの判断が入る場合には、品目マスタの明細カテゴリグループは標準jの設定にしておいて、受注伝票を登録する際に必要があれば明細カテゴリにTABを設定する形です。

入庫されると受注在庫として登録される

購買依頼を発注変換し、サプライヤーから調達ができ入庫処理を行うと、通常の仕入と同様に在庫が計上される形になります。

ただ、この場合の在庫は特殊在庫区分が『E(受注在庫)』となるので、起票元になっている受注に紐付けられた形で入庫されることになります。つまり、この在庫は他の用途には使えず、元の受注に対してのみ使用できることになります。

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