2021年2月現在では、SAP GUIをベースにSAP ERPを利用している企業が多いと思いますが、将来的にはFioriを使ったWebベースのUIが主流になっていくことという見方が広がってきています。
SAP社の発信しているブログやYouTubeなどを見ていても、その辺りの情報が増えてきていますし、Fioriを主なUIとしていくと明言している記事もあったと記憶しているので、今後Fioriがメインになっていくのだと思います。
これだけスマホやタブレット等のモバイル端末が普及している状況なので、それが自然な流れかなと感じます。
SAP ERPというシステムがより活用しやすくなるという観点では喜ばしいことではありますが、導入や保守などシステム側として関わる人間としては、技術的な面での不安はありますよね。
結論から言うと、新たな知識のインプットは必要です。
マインドとしては、S/4 HANAを含めて、それ以降のシステムは従来のSAP ERPとは別システムだという捉え方でも良いと思います。
その辺りの開発を行う仕事に携わった経験が現時点では無いので、今までのSAP関連の案件対応の経験からの知識と調べた内容を織り交ぜながら情報整理していきます。
SAP UI5とは
まず今回はSAP UI5とは何かというところから書いていきたいと思いますが、一言で言ってしまうと、『UI開発用のフレームワーク』です。
UIは先ほども書いた通り、Webをベースとするので、ブラウザ経由となるので、具体的にはHTML、CSS、JavaScriptがメインの言語になります。
バックエンドはS/4 HANA等になるので、フロント部分をUI5で開発して、バックエンドはGUIからカスタマイズやABAP開発することになると思われます。(間違っていたらすみません。)
UI5というのはフレームワークなので、ゼロからガリガリ作っていくというよりも、ある程度枠組みが用意されていて、それをベースにコードを書いていく形になります。
Ruby on RailsとかLarabelみたいな感じですかね。(フロントエンドなので、Vue.jsとかReactとかの方が近いかもしれないですね。その辺もそんなに詳しくないです。すみません。。。)
いずれにしても、フロントエンドの開発スキルが求められるようになります。
SAP UI5の開発環境は?
SAP ERPのアドオン開発の場合は、SAP GUI上に用意されたABAPエディタで開発することになりますが、Fioriの開発の場合は、SAP GUIの外になるので、当然ABAPエディタでは開発できません。
選択肢としては2つあるようで、1つはSAP Business Application Studioという、Web上で開発ができるツール(いわゆるクラウドIDE)が用意されているので、それを使って開発する方法。
もう1つはAtomやVisual Studio Code等を使ってローカル開発環境を用意して開発するという方法です。
今後のSAP技術者にはWeb開発スキルが必須になる?
個人的な感想にはなりますが、今後、SAPのシステムを生業にしていくにあたって、Web開発のスキルが必須になるのかどうかという点について書いておきたいと思います。
結論をいうと、あった方が良いけれど、無くてもできる仕事はある、ということです。
そもそも従来のSAP ERPに関しても、開発スキルでやっていくというよりも、業務知識とSAPのシステムを理解して、最適な使い方を提案・実装していくというのが仕事の割合としても大きいというのがありました。
ですので、そこの部分は土台のシステムが変わったとしても、橋渡し的な役割は必要だと思うため、そこのニーズはまだ継続して残るはずです。
もちろん、システム自体が変わっていく部分に専門家としてついていく必要はあるので、常に新たな知識をインプットしていく必要はあります。
とはいえ、ユーザーが使っている画面がどのような形で表示されていて、どうやってバックエンドと連携して動いているのかを知っておくことは大切だと思うので、そこの勉強はしておいた方が良いとは思います。
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