原価計算や管理会計において、『配賦』という処理がほぼ必須で実施されます。
小さな会社であれば、配賦しなくても問題無いこともありますが、SAPを導入している企業で配賦を一切行っていないというのは見たことが無いので、何かしら配賦は行っていると思って良いでしょう。
SAPで配賦をする時に必要になるのが、周期というマスターです。
原価センタ配賦、収益性分析配賦、総勘定元帳配賦等、細かい設定は違えど、どの配賦であっても事前に周期を登録しておいて、配賦を実行する形になります。
原価センタ配賦用の周期を例に説明すると、どの原価センタに計上されている、どの原価要素のコストを配賦対象として抽出するのかをセンダとして設定し、そのコストをどの原価センタにどんな割合で配賦するのかをレシーバとして設定します。また、配賦の場合は、二次原価要素を使って計上する形になるので、その配賦をどの二次原価要素で処理するのかを指定します。
※S/4HANAでは、二次原価要素も勘定コードとして登録するので、周期に指定するのも勘定タイプが二次原価要素の勘定コードです。
配賦基準は配賦する対象の原価要素によって異なると思いますが、固定割合で指定したり、統計キー数値を使って実績値や計画値を使って配賦することが可能で、これも周期に設定する形になります。
登録した周期を配賦処理の実行条件として入力する部分があるので、そこに指定して配賦を実行するという流れになります。
関連テーブル
・T811L:周期のヘッダ部分のテキスト情報
・T811K:周期の各セグメントの設定値
関連トランザクション
(原価センタ配賦用)
・実績配賦用の周期登録:KSU1
・計画配賦用の周期登録:KSU7
(収益性分析配賦用)
・実績配賦用の周期登録:KEU5
・計画配賦用の周期登録:KEUB
(総勘定元帳配賦用)
・実績配賦用の周期登録:FAGLGA11
・計画配賦用の周期登録:FAGLGA2B
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