今回は、海外送金について書きたいと思います。
海外送金とは
海外送金とは何かという話を最初にしますが、特に深い意味は無く言葉の通り海外に送金するという業務です。
多くの企業では、取引は国内だけに限らず海外との取引も行っています。その場合、相手先の企業が利用している銀行口座は、当然、日本の銀行ではなく海外の銀行であり、自社の口座から海外の口座に振り替えてもらわないといけません。
その手続きを送金手続きと呼んでいて、国内の支払の際の振込データとは異なるフォーマットでデータを送る必要があります。具体的な手段としては、SWIFTコードを使った送金や全銀協のフォーマットで送る方法、窓口で書類を書いて処理する方法など色々ありますが、いずれにせよ国内の銀行間とは異なる手続きが必要ということです。
SAPでの海外送金のオペレーション
SAP標準として用意されている海外送金のオペレーションとしては、以下のようなステップです。
①支払PGで送金依頼を作成
海外送金の場合も、国内の振込での支払と同様に、支払プログラム(F110)を使います。ですので、基本的な機能の使い方は同じで、海外送金の支払方法が設定されている債務明細については、海外送金として処理されるような形になります。
1番大きな違いとしては、国内支払の場合は、仕訳が起きるかどうかです。通常の振込の場合、支払プログラムを実行したタイミングで、債務が消し込まれて、預金が減額される仕訳が登録されます。
海外送金の場合は、先ほども書いたように、取引先の銀行は海外にあり、実際に口座間で残高が動くのに少しタイムラグが発生します。そのため、このタイミングでは仕訳は起きず、送金依頼というデータが作成されるだけです。
②送金依頼の送付
支払プログラムを実行することで、送金依頼が作成されます。形式は設定によってXMLの場合もあれば、全銀協フォーマットの場合もあります。それを自社側の銀行にデータ転送すると、銀行側で受付をしてくれ、取引先側の銀行に連携してくれる形です。
③送金結果の受領
取引先側の銀行での処理も行われて、残高が移ったら、送金結果のデータが返ってきます。そのデータをSAPに取り込むことで、仕訳が起きる形です。
もちろん、この部分を自動化せずマニュアル登録しているケースもあるので、ケースバイケースではありますが、いずれにしても送金結果がシステムにインプットされるまでは、送金が完結していない状態であるので、そこまでは会計上の金額も動かないということです。
簡単にですが、海外送金の流れについて書きました。SAPの設定等についても書きたかったのですが、時間が掛かりそうなので、少しずつ書き足していきたいと思います。
コメント