MR21は品目価格を直接変更するトランザクションです。標準価格を変更する場合、BOMや作業手順から原価を積み上げる原価見積とは目的が異なります。既存在庫がある品目では価格変更に伴い在庫金額が再評価されるため、マスタ値だけを直す操作とは考えないでください。
MR21が適している場面
価格を直接指定する必要があり、その金額と会計影響について承認が取れている場合に検討します。品目・プラント・評価タイプ、価格管理区分(標準価格S/移動平均価格V)、価格単位、在庫数量を事前に確認します。標準原価見積を作成・リリースする通常の原価計算フローとは別の価格変更です。
基本手順と確認項目
- 変更理由、適用日、承認済みの新価格を確認します。月次締めや原価計算の実施中かどうかも確認します。
MR21で会社コード、プラント、品目などを指定し、対象の評価データを表示します。画面項目はシステム構成により異なります。- 現行価格と価格単位を確認して新価格を入力します。例えば価格単位100なら、表示金額は100個あたりの価格です。
- 保存前に差額と対象在庫を確認し、保存後は品目マスタの会計ビュー、品目価格の変更履歴、発生した会計伝票を照合します。
在庫評価への影響
在庫がある場合の概算再評価額は「(新価格-旧価格)÷価格単位×評価対象数量」です。たとえば価格単位1、在庫100個、単価が500円から520円に変わるなら、差額は概算2,000円です。実際の伝票金額・勘定は評価レベル、分割評価、Material Ledger、通貨・元帳、設定などで変わるため、結果の会計伝票で確認します。差額を常に同じ『原価差異勘定』へ計上すると決めつけないでください。
在庫がゼロでも、今後の入出庫に使う価格が変わります。原価見積のリリース予定がある場合は、後続で価格が再変更されないかも確認が必要です。
参考・関連記事
- 標準原価計算と勘定記入の基本:標準原価の考え方を確認する
- 品目マスタ関連テーブル一覧:品目の評価データを調べる
- SAPの棚卸処理:数量差異と価格変更を区別する