仮想的なグルーピングのためのファントム品

主にPPが導入されている時に使う言葉で『ファントム品』というものがあります。

品目やBOMあたりの要件定義をする時に検討することになるもので、製品を製造するときに使う構成品をまとめる概念的な位置付けとして登録されるものです。

今回はこのファントム品について説明していきたいと思います。

よく使う品目をグルーピングするための構成品

ファントム品というのは何かを一言で言うと、仮想的なグルーピング目的の品目です。

イメージは上の画像の通りです。

完成品のBOMの構成として、水色で表現した半製品とオレンジで表現した原材料と部品だとします。半製品はさらに別の原材料と部品によって構成されています。そうした場合、半製品用のBOMを作成して、さらにその上位として完成品のBOMを作ります。つまり、完成品のBOMとしては半製品と、完成品の製造工程で使う原材料と部品を構成品としたものが登録されます。

この時に、オレンジの原材料と部品がこの製品だけではなく他の製品でも使う場合、これをまとめた形でBOMを作っておけば、使いまわすことができ管理が楽になります。つまりグルーピングのためにBOMとして登録はするが、それらを半製品のように1つの物として組み立てるものではなく、あくまでも仮想的な品目がファントム品です。

製造指図を登録して完成品計上しないものに使う

ファントム品というのは、仮想的な品目であり、それらが1つの物になるわけではないので、それを作る工程というのは存在しません。そのため、そのBOMに対して製造指図を登録して、生産するということは行いません。

あくまでも便宜的にBOMとして登録するだけであって、物理的にファントム品として登録したものを作るわけではないからです。

特殊調達タイプ50で品目マスタを登録

ファントム品をSAPで定義する時にシステム的な設定はどのようになるのかというと品目マスタの特殊調達タイプで設定することになります。

特殊調達タイプというのは、内製する品目なのか調達する品目なのかを指定する『調達タイプ』という項目を補足する項目で、より詳細な内容を指定する項目です。その特殊調達タイプの『50』という値がSAP標準ではファントム品を表す設定になるので、該当の品目マスタを登録する時にその値を設定することになります。

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