ファントム品は、BOMで共通の部品群をまとめるための仮想的な組立品です。設計上は一つの階層として見せますが、通常の生産では独立した完成品として保管・製造せず、MRPが下位部品の所要量へ展開します。
半製品との違い
| 観点 | ファントム品 | 通常の半製品 |
|---|---|---|
| BOM上の役割 | 部品群の論理的なまとまり | 実際に製造する中間品 |
| MRP | 通常は下位構成品へ直接展開 | 半製品自身の調達・生産を計画 |
| 在庫 | 通常はファントム品として持たない | 半製品在庫を持つ設計が可能 |
たとえば製品Aと製品Bが同じネジ・ブラケットの組み合わせを使う場合、その部品群をファントム品PのBOMとしてまとめます。製品AのBOMにPを置いても、MRPではPの下位にあるネジ・ブラケットの所要量が上位製品に合わせて計算されます。BOMの保守先を共通化できることが利点です。
SAPでの設定と確認
- ファントム用の品目と下位部品のBOMを用意する。
- 品目マスタのMRPビューで特殊調達タイプを確認する。標準設定のファントム品は50です。
- 上位製品のBOMにファントム品を構成品として配置する。
- BOM展開とMRP結果で下位部品に所要量が生じ、ファントム品自身の計画手配が想定どおりか確かめる。
特殊調達タイプやBOMの展開タイプは設定で変えられます。「50なら必ず同じ挙動」と決めつけず、対象プラントとBOM用途でテストしてください。物理的に組み立てて在庫を持つ必要があるなら、通常の半製品として設計する方が適切です。