SAPの財務会計(FI)は、企業の取引を会計伝票として記録し、債権・債務・総勘定元帳を管理する機能群です。日々の入出金や請求の処理を支えるとともに、月次・年次決算でB/S(貸借対照表)とP/L(損益計算書)などの報告数値を作ります。SAP全体を学ぶ際は、業務で起きた取引がFIへどう届くかを見ると理解しやすくなります。
FIで扱う主な業務
| 領域 | 日々の処理例 | 決算・報告へのつながり |
|---|---|---|
| 総勘定元帳(GL) | 仕訳登録、勘定残高の照会 | 試算表・B/S・P/Lの基礎 |
| 債権(AR) | 請求、入金、消込 | 得意先残高・売掛金の管理 |
| 債務(AP) | 仕入先請求、支払、消込 | 仕入先残高・買掛金の管理 |
| 固定資産(AA) | 取得、移動、減価償却 | 固定資産残高と費用 |
他の業務との連携例
MMでは購買発注、入庫、請求書照合を経てFIの買掛金・費用などへつながります。SDでは受注、出荷、請求から売上・売掛金の伝票が生成されます。処理の内容は勘定設定や業務フローに依存するため、FI伝票だけを見ず、元の物流伝票も追います。
財務諸表ができるまで
- 会社コード、勘定コード、会計年度・期間などの基礎設定を用意します。
- 日々の取引をFI伝票へ記録し、補助元帳と総勘定元帳を照合します。
- 月次・年次の調整、残高繰越などを行い、勘定残高を確定します。
- 財務諸表バージョンで勘定を表示階層へまとめ、帳票を確認します。
FIの目的を「財務諸表を作ること」だけに絞ると、入出金管理、取引先残高、税務・監査に必要な明細管理を見落とします。逆に日々の伝票処理だけでは、最終的に数値がどの報告行へ集まるかが見えません。両方の視点で設計・テストすることが大切です。
参考・関連記事
- 勘定コード表と勘定コード:仕訳と勘定の基礎
- 財務諸表バージョン:B/S・P/Lの表示階層
- MMの基本プロセス:購買とFIの連携
- SDの基本プロセス:請求とFIの連携
- FIトランザクションコード一覧:実際の画面を探す