BPマスタのトランザクションコード|BP・BUP1・BUP2・BUP3の使い分け

SAP S/4HANAのSAP GUIで得意先・仕入先を登録・変更するときは、ビジネスパートナ(BP)を中心に操作します。基本のトランザクションはBPですが、登録・変更・照会をそれぞれ直接起動するBUP1・BUP2・BUP3もあります。この記事では、各コードの用途とBPマスタを確認する際のポイントを整理します。対象は主にSAP S/4HANAのオンプレミス/Private EditionのSAP GUIです。利用できる画面や権限は導入環境で確認してください。

BP・BUP1・BUP2・BUP3の違い

トランザクション 主な用途 使いどころ
BP ビジネスパートナの登録・変更・照会 通常のマスタ保守の入口
BUP1 ビジネスパートナの登録 登録画面から開始したいとき
BUP2 ビジネスパートナの変更 既存BPの変更画面から開始したいとき
BUP3 ビジネスパートナの照会 変更を伴わずに確認したいとき

通常の運用ではBPを覚えておけば十分です。BUP1~BUP3は開始する操作が明確な別入口として使えます。ただし、実際の初期画面や遷移はリリース、カスタマイズ、ユーザーごとの画面状態で変わり得ます。「BPなら必ず前回の画面から始まる」「BUP1なら常に同じ画面項目になる」と決めつけず、自社システムで確認しましょう。

BPマスタと得意先・仕入先ロール

BPは取引先の共通データを持ち、ロールによって得意先や仕入先として必要なデータを追加します。S/4HANAではBPが得意先・仕入先マスタ保守の中心です。同じ取引先に得意先と仕入先の両方のロールを付けることもできます。

代表的なロール 主なデータ
FLCU00 得意先の会社コードデータ(FI)
FLCU01 得意先の販売エリアデータ(SD)
FLVN00 仕入先の会社コードデータ(FI)
FLVN01 仕入先の購買組織データ(MM)

たとえば売掛金の取引先として使うなら、基本データだけでなく、必要な得意先ロールと会社コードデータを確認します。販売伝票で使う場合は販売エリア側のデータも必要です。仕入先も同様に、FIで支払うための会社コードデータと購買発注で使う購買組織データを目的に応じて確認します。ロールを追加しただけで、全会社コード・販売エリア・購買組織で使用可能になるわけではありません。

BP画面で登録・変更・照会する基本手順

  1. SAP GUIでBPを起動し、登録・変更・照会の目的に合う操作を選びます。登録時は「組織」「個人」「グループ」などのBPカテゴリを確認します。
  2. 新規登録ではグルーピングと番号体系、名称・住所などの基本データを入力します。既存BPを変更・照会する場合は、BP番号や検索条件で対象を特定します。
  3. 利用目的に応じてBPロールを選択し、得意先・仕入先の会社コード、販売エリア、購買組織などのデータを保守します。
  4. 保存前に同一取引先の重複、必須項目、番号、権限を確認します。保存後はBPを再照会し、必要なロールと組織単位のデータが反映されたか確認します。

S/4HANAの得意先・仕入先データはCustomer/Vendor Integration(CVI)と関係します。登録エラーが出たときはBPの画面項目だけでなく、BPグルーピングと得意先・仕入先の勘定グループの対応、必須項目、番号範囲なども確認します。

トランザクションの定義と使える範囲を確認する

自社環境でBUP1~BUP3の起動先や初期設定を確認したいときは、SE93(トランザクションコードの保守・照会)で各コードを表示します。SE38はプログラムを扱う画面で、トランザクションコードそのものの定義を調べる入口としてはSE93が適切です。利用者には必要なBPロール、組織データ、登録・変更・照会の権限が付与されているかも確認してください。

SAP S/4HANA Cloud Public Editionでは、SAP GUIのトランザクションコードではなく、提供されるFioriアプリからBPを保守する運用が中心です。この記事のコード一覧をそのままPublic Editionの操作手順に当てはめないでください。

一括登録やプログラム連携での注意

元記事ではBUP1・BUP2をバッチインプットに使う方法に触れていました。これらを直接起動できても、画面の記録が安定して再生できる保証はありません。ロール切替や画面構成、必須項目の変更で記録が崩れることがあります。一括投入やシステム連携では、対象リリースでサポートされる移行ツール、API、連携方式を先に検討し、マスタの整合性とエラー処理を設計します。どうしても画面操作を自動化する場合は、対象環境で登録・変更・再実行・エラー時のテストを行います。

BP番号と得意先・仕入先番号が常に同じとも限りません。CVIの番号設定に依存するため、連携先でどの番号を使うかも確認します。

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