財務諸表バージョン(FSV)は、総勘定元帳の勘定科目をB/S・P/Lの表示行にまとめるための階層です。たとえば現金勘定と預金勘定を「現金及び預金」に、複数の売上勘定を「売上高」に集約します。勘定コードの残高そのものを作る設定ではなく、残高をどの行に表示するかを決めます。
財務諸表バージョンで定義するもの
- 階層と表示順:資産、負債、純資産、収益、費用などのノードを配置します。
- 勘定の割当:勘定コードまたは勘定範囲を各ノードに割り当てます。借方・貸方残高で表示先を分ける設定もあります。
- 集計行:小計や総計を設け、帳票の粒度を調整します。
一つの会社で複数のFSVを用意し、法定報告用と社内分析用で見せ方を変えることもできます。一方、会社コード、会計年度・期間、元帳、通貨は帳票実行時の条件や会計設定で決まる要素であり、FSVだけで切り替えるものではありません。
設定から帳票確認までの流れ
- 対象の勘定コード表とG/L勘定を確認し、B/S勘定とP/L勘定を整理します。
- Classic GUIではFSE2などでFSVの階層・テキスト・勘定割当を保守します。利用できる画面は製品・リリースで異なります。
- F.01などの財務諸表レポートに会社コード、期間、FSVを指定し、結果を確認します。S/4HANAでは対応するFioriアプリやグローバル階層を使う構成もあります。
- 新規勘定の追加後は、割当漏れと「未割当勘定」の表示を点検します。
数字が合わないときの確認点
最初に、対象会社コード・期間・元帳・通貨と、総勘定元帳残高が一致しているかを見ます。次に勘定の割当漏れ、範囲の重複、残高の正負による表示先、利益繰越・期間損益の扱いを確認します。セグメント別B/Sを出す場合は、FSVの設定だけでなく、伝票明細へのセグメント導出と必要な伝票分割の設定も確認してください。
参考・関連記事
- 勘定コード表と勘定コード:FSVに割り当てる勘定を理解する
- FIのセグメント:セグメント別財務諸表の前提を知る
- ACDOCAの基本:S/4HANAの会計明細を確認する
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