会計伝票の金額や勘定を誤って転記した場合、原則として元伝票を消して書き換えるのではなく、取消伝票(反対仕訳)で記録を残します。SAP GUIのFB08は、転記済みのFI会計伝票を個別に取り消すためのトランザクションです。ここでは操作前の判断、入力手順、取り消せない場合の切り分けを整理します。
FB08を使う前に確認すること
- 伝票の発生元:FIで直接起票した伝票か、MMやSDなど他モジュールから生成された伝票か。後者は元の業務伝票側で取消処理するのが基本です。
- 消込状態:未消込明細が消し込まれている場合は、
FBRAで消込をリセットする必要があるか確認します。 - 取消日付・会計期間:反対仕訳を転記する期間が開いているか、締め処理や税務上の扱いに問題がないか確認します。
- 修正後の伝票:取り消すだけで終わるのか、正しい伝票を再起票するのかを決めます。
FB08の基本手順
FB03で元伝票を開き、伝票番号、会社コード、会計年度、明細、発生元、消込状態を確認する。FB08で元伝票の伝票番号、会社コード、会計年度を指定する。- 取消理由と転記日付を入力する。取消理由によって日付やマイナス転記の扱いが変わるため、会社の設定と運用ルールに合わせる。
- 表示される内容を確認して取消を実行し、作成された取消伝票番号を記録する。
FB03で元伝票と取消伝票の相互参照、金額、勘定、転記日付を確認する。必要なら正しい伝票を別途登録する。
取消伝票が登録されても、修正後の業務データが自動的に作成されるとは限りません。元伝票と反対仕訳を対で追跡できるよう、誤入力の原因と再起票した伝票番号も管理します。
FB08で取り消せない主な場面
| 状況 | 確認先 |
|---|---|
| 明細が消込済み | FBRAで消込リセットの要否を確認する。支払・入金への影響も調べる |
| MM・SDなどの後続FI伝票 | 請求書照合や請求伝票など、発生元の標準取消機能を確認する |
| 会計期間が閉じている | 許可された取消転記日付と会計期間をFI担当に確認する |
| 既に取消済み | 元伝票と取消伝票の参照関係を確認し、重複処理を避ける |
個別伝票の手操作はFB08、大量取消やアドオンからの取消は別の機能・APIが候補になります。対象伝票の種類と発生元に適した機能を選んでください。
参考・関連記事
- BAPI_ACC_DOCUMENT_REV_POSTの使い方:ABAPからのFI伝票取消
- 伝票タイプとは:取消時の伝票タイプ設定
- 会計期間のオープン・クローズ確認:転記日付の確認
- FIトランザクションコード一覧:FB03・FBRAなどの関連画面