SAPの勘定コード表と勘定コードとは?会社コードとの関係・FS00の確認ポイント

SAP FIで仕訳を調べるとき、「勘定コード表」「勘定コード」「会社コード」が一緒に登場します。勘定コード表に科目を登録したのに、特定の会社コードでは転記できない――この疑問は、勘定コードマスタが共通部分と会社コード別の部分に分かれると理解すると解けます。この記事では3つの関係と、マスタを確認するときのポイントを整理します。

勘定コード表と勘定コードの違い

勘定コード表(Chart of Accounts)は、企業で使用するG/L勘定の一覧と、その共通情報を管理する単位です。勘定コード(G/L勘定)は、「現金」「売上高」など取引の種類を表す個々の番号です。仕訳は勘定コードに記録され、その金額が残高や財務諸表の基礎になります。

会社コードには業務で使う勘定コード表(運用勘定コード表)を割り当てます。同じ勘定コード表を複数の会社コードで共有できるため、グループ内で勘定番号や名称をそろえられます。一方、会社コードごとに異なる勘定コード表を使う設計もあります。管理領域との関係や連結・現地報告の要件も含め、導入時に決める事項です。会社コードの基本も併せて確認してください。

勘定コード表と勘定グループは別物です。勘定グループは、勘定コードの番号範囲や、マスタ作成時に必須・任意とする項目などを制御します。

勘定コードマスタは「共通」と「会社コード別」の2段階

勘定コード表を会社コードに割り当てるだけでは、その表にあるすべての勘定を直ちに転記に使えるわけではありません。使用したい勘定について、勘定コード表レベルのデータに加え、その会社コードのマスタデータを用意する必要があります。

管理する範囲 主な項目の例 意味
勘定コード表レベル 勘定番号、名称、勘定タイプ、勘定グループ 同じ勘定コード表を使う会社コードに共通
会社コードレベル 勘定通貨、税カテゴリ、未消込明細管理、転記ブロックなど 会社コードごとの転記・管理方法を指定

たとえば会社コードAとBが同じ勘定コード表を使い、「売上高」の勘定を共通部分に登録しているとします。Aの会社コードデータだけを作成した場合、Bでも使うにはBの会社コードデータを作成します。逆に、共通部分の勘定名を変更すると、その勘定コード表を使う会社コードに影響します。共有範囲を確認してから変更しましょう。

BS勘定とPL勘定、S/4HANAでの勘定タイプ

勘定を作るときは、貸借対照表に表示するBS勘定か、損益計算書に表示するPL勘定かを見極めます。BS勘定は決算日時点の残高を翌年度へ繰り越し、PL勘定の年度損益は繰越処理で所定の繰越先へ振り替えられます。この区分は決算結果に関わるため、後から気軽に変更できる項目ではありません。

SAP ERP(ECC)で使われてきたBS・PLの説明に加え、S/4HANAでは一次原価・収益や二次原価もG/L勘定として管理する点が重要です。原価要素を別マスタとして維持する従来の考え方から変わり、勘定タイプや原価要素カテゴリでCO上の用途を表します。画面や選択肢は製品形態・リリースで異なるため、自社環境で確認してください。変更の背景はSAP ERPとS/4HANAの違い、会計明細の扱いはACDOCAの記事で解説しています。

勘定コードを登録・確認する画面

SAP GUIを利用する環境では、次のトランザクションが基本です。権限や利用できる画面はシステム構成によって変わります。

コード 確認・変更する範囲 使いどころ
FS00 勘定コードの一括管理 共通部分と会社コード部分をまとめて確認
FSP0 勘定コード表レベル 名称、勘定タイプなど共通情報を確認
FSS0 会社コードレベル 通貨、税カテゴリ、管理フラグなどを確認

「FS00で勘定が見えるのに転記できない」場合は、対象の会社コードを指定して会社コード部分が存在するかを確認します。さらに、転記ブロック、勘定タイプ、税カテゴリなども確認します。設定済みの勘定に対する変更は、転記実績や残高によって制約を受ける項目があるため、変更前に影響範囲を調べてください。S/4HANA CloudなどではFioriのマスタ管理アプリを使う構成もあります。

関連テーブルと調査の順番

テーブル 主な内容
SKA1 勘定コード表レベルの勘定マスタ
SKB1 会社コードレベルの勘定マスタ
SKAT 勘定コードの名称・テキスト(言語別)
T001 会社コードの設定。割り当てられた勘定コード表を確認できる

調査では、①会社コードに割り当てた勘定コード表、②SKA1の共通データ、③SKB1の会社コードデータ、④必要ならSKATの言語別テキスト、の順に見ると関係を追いやすくなります。テーブルを参照するときはSE16Nの使い方も参考になります。テーブル上の値だけで転記可否を断定せず、標準画面の設定とエラーメッセージを併せて確認してください。

まとめ

勘定コード表はG/L勘定の共通の枠組み、勘定コードは個々の科目、会社コードはその科目を実際に使う組織単位です。共通データの登録と、利用する会社コードごとのデータ作成を分けて考えると、マスタ登録や転記エラーの調査がしやすくなります。

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