日曜日にこちらの記事の方で『オンライン新人研修』と称して、これからSAPの関する仕事に携わる方や、SAPに関する仕事をし始めた方に向けて、基本知識などをレクチャーしていくイメージで記事を書いていくこと宣言したところ、さっそく1通メッセージをいただきました。
経理でSAPを使っているものです。主に固定資産管理を担当しております。
除却、決済、台帳の出力、、、など最低限の処理はできるのですが、固定資産管理も含めたFI(財務会計)と利益センタ、原価センタなどの管理会計(CO)の2点を理解したいです。
お問い合わせいただきありがとうございます。
問合せフォームを設置した翌日のお問い合わせだったので、ビックリしてますw
テーマとして少し広い内容のリクエストをいただいたので、この記事では簡単に回答させていただいて、何記事かに渡って詳細を書いていく形にさせていただきたいと思います。もし、記載内容等でわかりにくい点やもう少し詳細に書いた方が良い部分などがあれば、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
固定資産も含めたFIについて
まずは、『固定資産も含めたFIについて』ということについてですが、固定資産部分はSAPのサイトなどを見てもFI-AAと表記されていますし、SAPメニューとしても財務会計の中に含まれているので、位置付けとしてはFIの一部分ということになります。
ただ、AA(固定資産)に関しては、業務的な部分で難しかったり、システム的にも他と少し作りが違っていたりするため、別モジュールとして扱われることが多いです。コンサル側もAP(債権管理)、AR(債務管理)、GL(総勘定元帳)はまとめて担当しても、AAは別担当者がアサインされるケースが一般的だと思います。
それぐらい固定資産というのはSAP ERPのモジュールの中でも独立した存在になっているということですね。
とはいっても、固定資産に関しても、財務会計の一部であるため、最終的には財務諸表の作成に繋がっていくという部分でFI-GLと連動しているということです。
つまり、財務諸表の固定資産の部に表示するものの詳細情報を管理するのが固定資産モジュールということです。ですので、固定資産の機能を使って、取得や除却、減価償却などのオペレーションを行うと会計伝票が登録され仕訳が起きるという形です。(資産エクスプローラー(AW01N)等から繋がりは確認できます)
あと、固定資産を考える上で無視できないのが納税の観点です。
法人税の別表を作成することが求められたり、償却資産税の計算が必要だったりするため、SAPはドイツ製のソフトでグローバルを前提に作成されたものですが、固定資産に関しては、この辺りの対応のために日本固有の機能が用意されていたりします。
その辺りを意識しながらシステムを活用する必要があります。
管理会計(CO)と財務会計(FI)との繋がりについて
財務会計は投資家や債権者、従業員など企業のステークホルダー向けに財務諸表を公開することが最終ゴールになるので、日本の会計基準もしくはIFRS(国際財務報告基準)に則った形で会計処理をする形になります。
管理会計に関しては、経営者の意思決定に役立てるというのが大きな目的になるため、企業の方針によってやり方や算出する数値が異なっていたりします。
ただ、管理会計のベースになるのは財務会計で作成した財務諸表の数値なので、管理会計に必要な情報は、会計伝票を登録して仕訳が登録された時点で、管理会計にも流れる仕組みになっています。
その代表的なものが原価センタや利益センタです。(利益センタは財務会計の要件も含んでいるので、厳密に考えると管理会計ではないような気もしますが)
原価センタというのは、簡単に言うとコストがどこの部や課で発生したかを把握するために使われるもので、費用系の勘定で仕訳が起きる時に費用の明細に原価センタをセットします。固定資産で言うと、減価償却費が費用なので、どこの部課で管理している固定資産を費用化したかを原価センタをセットしておくことで把握ができるようになると言うことです。
(ちなみに減価償却費は固定資産マスタに設定している原価センタで計上されることになります)
利益センタについては、費用だけではなく収益も合わせて管理して、部課ごとにどれだけ利益を出せているのかを把握するためのものです。
つまり、原価センタをセットする明細には利益センタもセットされることになり(原価センタと利益センタはマスタ上で紐付く仕組みになっています)、売上等の収益明細には利益センタのコードをセットすることになります。
細かい部分を言い出すと、もっと色々あるのですが、長くなってきたので、記事を分けて書いて行きたいと思います。
今回はバーっと書いたので、文字だけですが、必要に応じて図表なども作りながら解説記事を書いていこうと思いますので、ご興味あれば読んでみてください。(SAPの環境に入れないので、実際の画面は添付できませんがご了承ください)
では、また何かご質問等ありましたら、お問い合わせフォームよりお願いいたします。
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